歯科医療の基礎知識集

注歯科医師の過剰

現在歯科医師数の過剰ぶりが深刻だ。

歯科医院の数は日本全国で6万7千箇所以上あるといわれ、コンビニエンスストアの数でさえ約4万店なのだから、その多さに驚かれる方もいるだろう。これに加え少子化による人口減少、予防教育の徹底、治療の高質化による再発率の低下などが通院患者の減少に拍車をかけている。

歯科医院の開業には場所の確保や高度な医療機器の購入などにかなりの先行投資が必要で、開業当初から常時ある程度の患者がつかない限り、その回収は容易ではない。
事実、開業3年目で約30%の歯科医院が経営的危機、もしくは医院閉鎖の憂き目を見ており、勤務医としての仕事口が見つかればまだいい方で、年収300万円に満たない歯科医師も約20%にのぼるという状況だ。

「歯科医師は儲かる」という通説は、保険適用外の美容歯科などに力を入れているような、経営能力に長けたごく一部の歯科医師にのみあてはまること。医師過剰の原因の一つには、厚生労働省の要請にもかかわらず私立大学歯科部が入学定員の削減にほとんど応じていないことにある。定員削減が即大学経営に影響を及ぼすわけだから、私大も容易には応じることができないはずだ。国家試験の難関化が打ち出されたのはつい最近のことで、旧態依然とした保険点数制度に至ってはいまだ有効な手を打てず、政策は後手を踏んでいるといわざるをえない。

Loading...